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大麻を吸っている間は狭心症の発作から解放された
60代男性 日本在住公開日:2021年10月20日
音声で聴く:
Reading by Dai Hirohashi
初めは16歳の頃だね。先輩が採ってきた野生の大麻を吸ってたよ。どうも長野あたりに自生しているやつを採りに行っていたらしい。幻覚とか見ないんですかって言ったら笑われたよ。周りの人にも幻覚を見たことのある人は誰もいなかったね。
35歳くらいの頃に医療目的に使えることとか、日本の法律について詳しく知るようになって、これはおかしな規制だということで、法改正に向けて活動するようになったわけだ。
自分で最初に医療目的に使ったのは、不眠に対してだったね。仕事でミクロネシア連邦に行った際に、現地のホテルのボーイが持ってきてくれたんだよね。僕が大麻吸ってるって、周りの日本人は笑ってたよ。大麻を吸っているとよく眠れる。それは間違いない。あと身体がリラックスするね。緩むというべきかな。
それから僕も歳をとって胸の痛みが出るようになったんだ。色々な病院にかかった末に2012年頃(50代前半)に安静時狭心症と病院で診断された。心臓の血管が急に収縮して、心筋梗塞に近い状態になるんだ。喉にパンが詰まったような感じがして、周りから見てると顔が真っ青らしいね。サード・オピニオンまでしているので診断としては間違いないと思うよ。
普段は血管がなんともないから、ステントを入れたりという治療はできないらしい。それで病院から処方されたのはニトログリセリンと貼り薬。それを使っていても2〜3日に一度くらい発作があった。困るのはニトログリセリンを使った後や、貼り薬を剥がした後に頭痛がするんだ。血管の拡張のせいだろうね。
他にも医者は降圧薬とかコレステロールの薬を処方してくれたけれど、症状をなんとかするものではなかった。これ以上現代医学に頼ってもなんともならないと思ったわけだ。
その時期に自分のことを応援してくれる人達から大麻をもらうようになった。もちろん、法的にリスクがあることはわかっていたけれど、大麻を吸っている期間は狭心症の症状が全く起きなかったんだ。でも大麻を切らすと3〜4日で発作が出てくるようになる。おそらく大麻がもたらすリラックス効果が影響しているのではないかと思う。
それから10年くらい、逮捕されるまで定期的に大麻を吸っていたね。逮捕されたことによって僕は大きな社会的制裁を受けた。自分の法人の代表取締役も降りたし、妻とも離婚することになった。これは人権侵害以外の何者でもないよ。ハンセン病の患者が受けていた仕打ちと全く同じ種類の弾圧だと言える。
逮捕後は一線から退いて、山の家で穏やかな暮らしを送っているよ。
狭心症には大麻の代わりに高濃度のCBDエディブルを使用している。これも効果があるようで摂取している間はほとんど発作が出ない。一日あたり125 mgくらいのCBDを摂取している。結構な量だろう?普通に買ったら金額も相当だよ。クリスタルをそのまま摂取したり、クッキーに入れて焼いたりしているね。
あとは自分で無農薬の野菜を作って食べて、鍼灸の治療を受けて、植物由来の乳酸菌を培養して飲んでいる。言うなれば統合医療だね。本来、こういう治療の一環として大麻草の全草も選択肢に加えられるべきなんだよ。
いずれ日本の法律も変わるだろう。その時には今は言えないような話も全て聞かせてあげよう。全てが笑い話になる日を楽しみにしているよ。
(担当: 正高佑志)
※本プロジェクトは、以下の企業から支援を受け運営されています
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正高 佑志 (まさたかゆうじ)
医師。一般社団法人Green Zone Japan代表理事。著書に「お医者さんがする大麻とCBDの話(彩図社)」
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三木 直子 (みきなおこ)
翻訳家。一般社団法人 Green Zone Japan 理事。訳書に『マリファナはなぜ非合法なのか?』『CBD のすべて—健康とウェルビーイングのための医療大麻ガイド』『大麻草でがんは治せるか?』他。
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長吉 秀夫 (ながよしひでお)
作家・舞台プロデューサー。ステージ制作の傍ら、ジャマイカやインド、北米や南太平洋などを訪れ精神世界、ドラッグ、ストリート・カルチャーなどを中心に執筆。ロック、日本の祭り文化についての造詣も深い。『不思議旅行案内』『タトゥー・エイジ』『大麻入門』(ともに幻冬舎)、『医療大麻入門』等
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ロサンゼルスのマリファナ姐ちゃん。
大麻ショップ店長経験あり。
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世界一周中に体験した大麻の可能性を多くの人に知ってもらうために活動中。
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過去、CBDアイテムを扱うシーシャ屋の運営経験あり。
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