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なぜあなたは大麻を吸うのですか?
Smoker's Story Project

2021年1月、私たちはSNSを利用し、 日本で違法に大麻を使用する人々を対象とした無記名のアンケート調査を行い、
4000名を超える方からの回答を頂きました。

その結果、大麻を使用することによる健康被害は
社会的に問題とするほどではないことが示されたと考えています。

しかし、データとして私たちの手に残ったものからは、
なぜこの人々が、これほど厳しい法律の規制にもかかわらず、
大麻を吸い続けるのかは読み取れませんでした。

一方、私たちの元には様々な方からの “語り“ が届くようになりました。

その多くは自身と大麻という植物の関係であったり、
大麻がどのようにして自分を救ってくれたのかというパーソナルな物語でした。

届く文章の多くは不器用で、多くの誤字を含み、読みやすいものではありません。
けれどそこには、本人の切実な息遣いを感じます。
そしてこれらの物語は、語られたがっているように感じられたのです。

今、厳しい法律や社会の目がある状況で、
自身の大麻使用についてカミングアウトすることには大きなリスクが伴います。
安全を担保するためには、匿名化した形でしか情報を発信することができず、
結果的に個々の物語の強度は低下すると言わざるを得ません。

しかし、全く異なる場所で、お互いに面識も持たない人々から寄せられた、
自身と大麻についての物語に類似点が認められるのなら、
そこにはある種の真実のかけらが存在していると言えるのではないでしょうか。

これは今、この国の片隅で違法行為に従事する人々の肉声の記録です。

聞かせてください。

あなたはなぜ
大麻を吸うのですか?

file #1
大麻吸ってる時間が全て

28歳男性 カナダ在住

初めて大麻を吸ったのは19歳のとき。2歳上のアニキの友だちだった地元のDJの先輩に勧められたんですよね。それまで、吸ったことはなかったけど、タバコや酒よりも大麻の方が安全だっていうのは聞いてたんですよ、ネットの掲示板とかで。海外からの情報が入ってきてて。だから自分の中では、大麻は危なくないものという認識でした。でもそれまでは大麻に接する機会はなくて。

モンキーパイプでバッズを吸ったんですよね、先輩の車の中で。で、タワレコ行って。ほわーんとした感じで、あ、こういうもんなんだ、って思いましたね。

仲良い友だちにヤンキーとかラッパーとか多かったんですよね。で、そいつらと吸うのが楽しかったんです。だいたい友だちか先輩から買ってたんですけど、もともとはヤクザつながりの先輩とかいて、そういう悪い人つながりでネタが流れてきたって感じですかね。そいで頻度がだんだん上がっていって、友だちと遊ぶときはだいたいあったかな。酒とかはまったくやらなかったんですよ、最初は酒飲む友だちもいたけど、最終的には大麻が好きなやつらとばっかり遊ぶようになって。だから基本的には大麻だけ。

友だちとか、先輩とか、基本的には誰かの家でやってましたね。ラップやってた友だちのライブとか行って会場の外で吸ったりすることはありましたけど。大学でも吸ってたな。構内っていうか、吸いながら街を一周してまた戻るとかね。車の中とか。なつかしいな。結構危険なことしてましたよね。いつも持ってましたからね。1年半社会人やってて、接客業だったんですけど、その間もトイレとかで吸ってましたね。

めっちゃ高かったですけど、仲良いやつから買ってたんでお友だち価格で買えて、1グラム5,000円行かないくらい。当時ハーブ用のベポライザー使ってたんで。友だち価格じゃなかったら0.8グラムで6,000円とかっていう人もいたりとか。友だちから買ってたのは「レギュラー」って言われるまあまあのやつ。

友だちから買ったやつは多分日本産だったんじゃないかな。インポートもたまにありましたけどね、それはヤクザつながりの先輩からのやつ。ヤクザの先輩はやっぱりいつもいいネタ持ってましたよね、ネッチネチのやつとか、たまにワックス持ってたりとか。

そういう先輩から大麻以外のクスリを勧められたりしたことはないっすね。基本的に大麻が好きな人達なんですよね。シャブとかやってる人もたまにはいたと思うんですよ、でもそれを人に勧めるとか、地元のルール的に、それはないべ、って感じだったのかな。勧められたりしたことはまったくないっす。

お酒も飲んでたしタバコも吸ってたし、なのに大麻がそんなに好きになった理由っていうのは— お酒って色々失敗してるんですよ。翌日身体に残るし、しかもお酒って、楽しいっちゃ楽しいんだけど、バカになるんですよね。酒はそこそこ飲めたし楽しめるんだけど、アルコールで飛んでる時間って中身がない。だけど大麻やってると、友だちとの会話もなんか哲学的になるんですよ。俺らの人生どうあるべきかとか、こういうことやったら面白そうだな、とか。酒はリミッターが完全に外れちゃったりするし、身体的にも、こう色んな意味で大麻がいい、ってなったんですよね。

社会人辞めて海外に出たきっかけは、大学のとき趣味の延長で海外の雑貨仕入れて売ったりしてた相棒がタイに住むことになって、じゃあ俺も何かやらなきゃ面白くないなってことになって。アメリカはビザが難しいし、別の友だちがカナダがいいんじゃない? って言うんで、あ、それいいかもな、って。ちょうどそのころカナダで大麻合法化って話があって、タイミングもいいかな、と。最初はワーホリで。貯金あったんで、3か月間語学学校行って。大麻企業に就職しようとしたけどできなくて、ギリシャ料理のレストランで皿洗いのバイトしましたね。

医療大麻はもう合法化されてたし、嗜好大麻も非犯罪化状態だったから、ディスペンサリーはそこら中にあったし、初日から吸ってましたよね。合法化される前のほうが手に入りやすくて。黄金期でしたね。日本と比べて全然安いし、値段と質のこと考えるとカナダは世界トップクラスじゃないですかね。合法化されてオフィシャルのディスペンサリーは減ったりしたけど、基本的には友だちの誰かから買えるんで不自由はないです。

この2年くらい日本に戻ってないんですけど、実は最近ちょっと戻りたいと思ってるんです。家族に会いたいから。ビデオチャットはしてるけど、実際に会うのとは違いますからね。

実はそれでここんとこ情報発信も控えてるんです、みんなに顔を忘れてもらいたいと言うか。ちょっと過激なことやりすぎたかな、と。日本にいる間は大麻は出来ないですからね。親は理解してくれてますけど、万が一何かあったら周りに迷惑かけるし。なくても別にオッケーだと思います。

大麻出来ないと辛いのは、日本で仕事して日本の社会で生きていく場合なんですよ。あの同調圧力が昔から大嫌いで。昔からそういうのがすごいストレスで、そういうのがないところが海外の良さだと感じるし。大麻を求めてる人ってそういう人が多いのかな、と。要は日本で生きづらい人が大麻の支持者なわけで、自分も大麻があれば日本のそういうとこ乗り越えられると思うんですよ。

社会人やってたとき、大麻吸うと仕事が楽しめたんですよね。人に接するのが楽しくなる。仕事の会話でも相手の言うことにめちゃ共感したり。なくてもいいんだけど、あると嬉しいんですよ。

肉体的には健康だから、大麻吸って楽になる症状があるわけじゃないんです。でも俺は間違いなく大麻に依存してる。で、その背後には何があるんだろうと思うと、愛だと思うんです。不安とか。ペットとか、彼女とかいたら多分違うんだと思うけど、今の自分には色々欠けてるものがあるからこうやって大麻に依存して生きてるんじゃないかな。

俺は弱い人間で、うつの傾向があるんですよ。19歳くらいのときもそうで、俺、なんで生きてるんだろうな、って。遺書書いたんですよ、今でも持ってるけど。そういう気質の人間なんで、とりあえず大麻吸ってるときの方が楽しいんですよね。これが本当の自分なのかどうかはわかんないですけど。生きてて苦しくないというか、苦しくてもどうにかやっていける。

ちょうどそんな頃に大麻に出会ったわけですよね。大麻っていうのはパズルのピースの一つだと思ってるんです。俺、友だちがいて、友だちと大麻吸う、その時間が楽しくて、生きててよかった、って思えたんですよ。だから生き残れたんだと。そういうつながりがあるから。それがなかったら、俺きっと、大麻だろうが何だろうか、何かに依存して結局死んじゃう人間じゃないかと—体をグシャグシャにして。友だちって大きなピースだと思います。大麻と友だち。

日本に戻るのは一時帰国で、結局はまた大麻吸えるところに住むことになるでしょうね。それが人生の第一条件ですよね。日本で大麻が合法化されれば日本でいいと思うんですよ、家族もいるし。

日本で大麻が吸えるようになることが一番で、そのために何か貢献できることがあればいいな、と思って最初は情報発信を始めたんですよ。それが自分の使命だと決めて。だけどその後ちょっと後悔したんですよね、ちょっと過激すぎたかなって。ネットで非難されたりもしたし、それでちょっと萎縮しちゃったと言うか。でも最近、また活動始めた方がいいのかなって思ってる。最初活動を始めた頃の自分の気持ちを思い出すと、やっぱり大麻に救われたんで、大麻への恩返しのつもりだったんですよね。世間が俺の命の恩人をこんなふうに思ってることが許せなかったんですよ。

俺のゴールは合法化じゃなくて標準化なんですよ。タバコとかアルコールみたいに、大麻吸ってるからってジャッジしない、偏見を持たない社会であるべきだな、って。でもそれにはステップがあって、非合法化があって、合法化があって、その次かな、と。で、そのために自分が1個の歯車になって、自分にできることをやろうと思ったわけで。

今、大麻合法化活動っていうのが自分の生活の中でどういう位置を占めるものなのか、その軸がわかんなくなってるとこはありますね。結局その活動をマネタイズするってことができなくて、その問題は大きかったかな。今、ある程度の収入の支えがあるようになったんで、そういう中でもう一回合法化活動をしてみたいと思うようにはなりました。今ならできることもあるのかな、って。

自分が生きた証を残したいっていう思いはあって、大麻の合法化に名を残す一人になりたいというか、自己実現の手段の一つというか。だから活動してた頃は、忙しかったけど精神状態良かったんですよ。

なぜ大麻を吸うのか。俺は、親父やおふくろと話すときも、じいちゃん、ばあちゃんと話すときも、悲しいときも嬉しいときも、いつも大麻吸っていたいんですよ。いや、なかったらないで平気なんだと思うんですけど、生きてて、この感覚を知ってる以上は.....。大麻吸ってる時間がすべてなんです、楽しいんですよ。大麻以外のクスリやったっていいと思うんだけど、大麻があれば他はいらないというか。だって今目の前に、世界が1.2倍楽しくなる薬があったら、飲むでしょみんな。自分は基本的に起きてる時間はずっと吸ってますから。今はシラフの状態がわかんないっていうか、心配になりますね、うつの気があったんで。大丈夫かな自分、とりあえず吸って落ち着こう、って。吸ってる状態がデフォルトなんですよ。

もし日本で大麻が合法だったら、自分はこんなに依存してないと思ってます。親父やおふくろと話すときも、たまに吸えればいいかな。親子で酒を嗜むって感覚で。今、なぜ大麻を吸ってるのか考えると、何かを紛らすためかもしれないですね。足りないものとか、夜急に悲しくなったときとか、安定剤みたいな感じ。

これ、どうにかして止めたいと思ってるんですけど、シラフのときって、自分はいつも人の気持ばっかり考えちゃうんですよ。不安症っていうのに近いのかな。大麻吸っても考えちゃうけど、でもその状態を受け入れられるっていうか。不安がやわらぐって感じかな。大麻がなくても、世の中でうまく立ち回れるように育ってきた方だとは思うんだけど、今はあるのが当たり前で、それを受け入れてくれる人としかしゃべらなくなって、そしたら気持ちよくなりましたね。

(担当: 三木直子)

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当サイトは経験談を通して、大麻への理解を深めることを目的としており、大麻の使用を推奨したり、犯罪を扇動するものではありません。