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なぜあなたは大麻を吸うのですか?
Smoker's Story Project

file #59
うつ病を大麻で救われた過去。今度は大麻農家としてみんなを救いたい

20代女性 日本在住
公開日:2022年9月5日

はじめは自分も「大麻=ダメ、ゼッタイ」という印象を抱いていました。けどその認識が変わったのは14歳の頃。母がステージⅣの末期がんと診断された時です。

ネットで抗がん剤治療はあまり良くないっていうのを見ていたので、他の治療法を色々調べたんです。日本語だけじゃなくて、英語でも調べました。その時に大麻ががんに効くっていうのを知り、それがきっかけで大麻に対する認識が「ダメ、ゼッタイ」から「薬草」へと変わりました。結局大麻は使わずに、厚労省から認可されていない栄養ドリンクみたいなものを毎月買って母に使用してもらいました。それが効いたのかはわからないですが、母は今も生きています。

それから期間が空いて19歳の頃、私は重いうつ病になりました。

私、中学時代からずっといじめられてたんですよ。当時は太ってて、そのせいだけではないかもしれないですけど、友達もあんまできなくて。「高校生になれば変わる、今は周りの環境が悪いだけだ」って考えて、この苦しみに出口があることを信じてました。

でも結局高校に行ってからもいじめられて、友達もできなかったんですよね。今度は周りのせいにするだけじゃなくて、自分でも色々と変えようとしたんです。でも不器用なせいか、どうあがいても結果は同じで、ずっと孤立していました。

それで今度は「日本が合わないだけなのかもしれない」って思ったんですよ。なので高校卒業して1年間フィリピンに行ったんです。けど、そこでも孤立しちゃって・・出口の見えない苦しみに、もう完全に心が折れました。

眠れないし、食べられない。最大で30kg痩せましたね。肋骨が浮き出て、座ってもお尻が痛くなるくらいでした。「〜しなければいけない」という考えにとらわれて、思考がどんどんネガティブな方向にいきました。なんとか仕事はしてたんですけど、「めんどくさいから、いいや」という感じで、外出もしなくなっていきました。行ってもタバコ買いに行ったりするぐらい。今思い返しても結構つらかったです。

精神科には行ったんですけど、薬飲んでも全然良くならなくて・・それで初めて大麻を吸いました。知り合いが「うつなら大麻吸えばいいよ」みたいな感じで言ってくれて。ネットでもうつというか精神病全般に効くみたいな情報を見かけていたので、ダメ元で試してみたって感じです。

私の行ってた精神科って「眠れない」って話したら「眠れる薬を出すね」って言うし、「食べられない」って話したら「食べられるようになる薬出すね」って言う感じだったんですよ。なぜ眠れなくなったり食べられなくなったりしているのか、その根本の部分を改善するものじゃなかったんですよね。薬を飲むことでどんどん自分らしさが殺されていく感じがしました。徐々に感情がなくなっていくっていうか、生きてて心地がいいと思えなくなっていきましたね。確かに薬を飲むことで仕事に行けていたって部分はありましたけど、仕事中もつらいって気持ちは消えてなかったです。つらい気持ちを避けるために、極力頭を使わずにボーっとするようにしていました。

でも、大麻を吸ってからは「なぜ食べられなくなったのか」「なぜ眠れなくなったのか」ってことを深堀りして考えられるようになったんですよ。ちょうど哲学を勉強してたってこともありましたけどね。漠然としてよく分からないから心がモヤモヤしてつらいってところがあったと思うんです。

食べられなくなったのは、たぶん罪悪感があったからなんですよ。過去にいじめられたのは太ってたからなんじゃないかって思ってた部分があって、食べることに恐怖があったんです。でも大麻を吸ってから色々と考えたんですよね。見た目を気にしてもしょうがないとか、命をいただくことの尊さとか。複合的に考えて、食べること自体は素晴らしいことなんだって思えるようになったんです。だからこそ食べ物は好きなだけ食べようって。同時にそこには命の尊さがあるから、逆に食べ過ぎるってこともあまりなくなりましたね。

大麻のおかげでこうやって自分自身をしっかり見つめながら原因を探っていくことができ、気持ちに整理をつけられるようになっていきました。

あと、精神がつらい時って人に話すと楽になるっていうじゃないですか?けど、私には話す人がいなかったんです。ちょっとスピリチュアルな話かもしれませんが、大麻を吸うことで自分自身で悩み相談できたんですよね。”ハイ”になった自分がカウンセラーとして、過去の自分と対話するというか。一種の心理療法じゃないですけど、おかげで自分で自分を励ましながら一歩ずつ進んでいくことができるようになって、気づいたらうつから抜け出していました。

結局のところ、全部認識の問題ですよね。大麻は一番そこの部分を変えてくれました。例えば黙って立っている人が目の前にいたとして、それを「不機嫌そうだな」って捉える人もいれば、「疲れてるのかな」って捉える人もいる。私はいじめられた経験もあって、「この人は私のことが嫌いなのかもしれない」とか「私はこの人に不快感を与えているのかもしれない」とか、そういう疑惑の目で人を見るようになっちゃってたんです。

でも大麻を吸ったら他人を慈しむ気持ちというか、愛情に対する感受性がすごい高まったんですよね。それで物事をあたたかい方に捉えることができるようになったんです。例えば、前までは仕事で怒られたら「情けない」とか「迷惑をかけてしまった」とかそういう嫌な気持ちしか出てこなかったんですけど、大麻を吸ってからは「怒るの大変だろうにわざわざ自分のために怒ってくれている。ありがたいな」って捉えられるようになったりとか。全部感謝とか愛情に結び付けられるようになったんです。おかげで幸福度のベースは上がったし、当たり前の中に幸せがあると感じられるようにもなりました。

当時大麻は毎日吸ってましたね。1日かけてジョイントを1本。朝1、2パフ、昼仕事休憩中に2、3パフ、夜に残りをガッツリって感じでした。ゴリゴリのインディカで、おかげで夜もぐっすり眠れるようになりました。

使用期間としてはだいたい半年間くらいです。大麻がなきゃ生きていられなくなっていないか不安になったんですよね。この半年間で気持ちが沈んだ時の抜け出し方が自分の中でマニュアル化されたし、色々と腑に落ちた感じもしたので、もう吸うのはやめました。ふと「また欲しいなー」みたいに思うことはありましたけど、やめるのは全然つらくなかったですね。なので大麻に依存性はまったく感じてないです。まぁ口が寂しくなって、ちょっとタバコの本数とかカフェインの摂取が増えましたけどね。てかタバコのほうが断然やめるのつらいですよ。やめようと思っても、今のところ2日間が限界です(笑)

大麻のデメリットは、知識がないと他人に迷惑をかけてしまう可能性があることですかね。例えばお酒をたくさん飲みながら大麻を吸ったりしたら、吐いたり路上で寝こんだりってことはおそらくあり得るじゃないですか。精神変容を起こすものだし、使用にあたってのマナーとか知識はちゃんと知っておく必要がありますよね。あとは食べすぎたり、寝過ぎたりってことぐらいはありますかね(笑)まぁでも最大のデメリットは逮捕だと思います。

将来は、大麻農家になりたいんです!その理由は・・・

実は妹が自殺未遂したことがあって、今でもまだ漠然と死にたいって思う瞬間があるみたいなんです。話を聞いてみると、仕事をしなきゃいけないとか、前の私みたいに「〜しなきゃいけない」って考えに縛られてるんですよね。妹だけじゃなくて周りの人もそうなんです。親が自殺しちゃったりとか、家庭環境が複雑で精神疾患になった人とか多くて。幼馴染がブロン中毒で病院に運ばれたりもしましたし。

だから自分が日本を変えたいって思ったんです。大麻農家になることで。自分も大麻に救われたので、周りの人たちにとっても一助になるんじゃないかって思っています。もし大麻農家になれたら、「働かなきゃ」って考えにとらわれて苦しんでいる人たちに対し、「一緒にやろう」って声をかけることもできるじゃないですか。大麻農家になればこうやって色んな問題を解決できると思うんですよね。それに自分自身、牧場でボランティアしたり野菜を栽培した経験もあって、スローライフに憧れているっているっていうのもあります。大麻自体も、おがらを抱えながら寝ちゃうくらい大好きですしね(笑)

大麻農家は日本で大麻が合法になってから国内でやりたいので、今は大麻についての知識や理解を国内の色んな人に広めていきたいです。大麻は違法ですけど、CBDとか日本でも合法で使用できる大麻由来のものがあるじゃないですか。眠れないとかメンタルがつらいとかで困っている人がいれば、是非まずはそういうものを一度試してみて欲しいなって思います。

母のがん、いじめられたこと、うつ病になったこと。当時は全部すごく辛かったですけど、そういうことがあったからこそ大麻と出会えたし、大麻と出会えたからこそ自分らしさを受け入れて、自分を大好きだと思えるようになったと今は感じています。

(担当: 廣橋大)

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