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なぜあなたは大麻を吸うのですか?
Smoker's Story Project

file #54
なきゃならない相棒から、大事な感覚を気づかせてくれるツールへ

40代男性 日本在住
公開日:2022年4月22日

音声で聴く:

Reading by Dai Hirohashi


初めて大麻を吸ったのは17、18歳ぐらいの時かな。よく遊んでた地元の友達から「おもしろいものあるからちょっと家きなよ」って誘われて、行ったら出てきました。

当時タバコも吸ってたので、大麻もはじめからしっかり肺に入れられました。吸った瞬間はなんだろうな、あの感じ。目が熱くなるっていうか、体が火照ってきて、何かが違うぞ、みたいな。仲のいい友達5,6人で吸ったおかげで、気持ち悪くなったりすることもなく、すごくリラックスできました。友達が面白いこと言ったりやったりしてて、ひたすら笑いが止まりませんでしたね。ずーっと喋って、お菓子食べて。まるでワープしたような感覚になり、時の経過も分かりにくくなって。間違いなくその場にいたんだけど、いつも違う感覚でした。すごく楽しかったですね。

それ以降20代は仕事の後に友達の家に行って、一服して、家に帰るって生活をしてました。実家暮らしで、家じゃ吸えなかったので。仕事が変わって一人暮らしをするようになってからは、自分で買うようになりました。この頃は違法なものを影でこっそり楽しんでいるっていう優越感も楽しんでましたね(笑)

東京で働いてた時、忙しさからストレス解消のために吸ってた時期もありますが、基本的には休日に自分へのご褒美として使ってました。朝から一服して過ごす休日が最高にハッピーでした。吸ってから友達と遊ぶ。映画を観る。飯を食う。寝る。気づいたら大麻は相棒みたいな存在で、なきゃならないものになってました。大麻取締法違反で捕まったことがあるくらい、麻が大好きでした(笑)

イタリアに姉がいたので、2週間休みをとってイタリアへ旅行に行った時があるんですけど。姉は大麻の論文を書いたことがあるような人で、案の定大麻を持ってきてくれて、吸いながら旅行を楽しむことができました。見る光景も音も全てがグレードアップして、イタリアがより一層素晴らしいところに感じました。

後は吸うと色んなアイディアが浮かびますね。大麻を吸って音楽聴いたり、クラブに行ったり、自然溢れる場所に行ったりすると、シラフでは考えつかないことをひらめいたりするんです。別に仕事に使うとかそういうわけではなかったですけど、よく紙に書き留めてました。そういう感覚になるのが一番楽しかったですね。

お酒の場って愚痴の言い合いになることが多いじゃないですか。大麻を吸うと楽しくなるから楽しい話をしたくなって、マイナスな話は出てこなくなります。プラスな話しかしないし、アイディアがいっぱい出てきてトークも止まらなくなる。どっちの方が楽しいのかは明白ですよね。

脱法ハーブを吸ってた時期もありましたね。当時渋谷の道玄坂にいっぱいショップがあったんですよ。大麻と変わらない体感はありました。けど、脱法ハーブのほうが持続力がありましたね。ケミカルな成分がそうさせてたんでしょうね。食欲もなくなり、寝ないでも平気になってました。とにかく飲まず食わずで寝ずに働いて、じゃんじゃん金稼ぐぞって感覚に陥ってました。大麻とは真逆ですよね。規制とのいたちごっこで最終的には吸えたもんじゃなくなり、吐いたりするようにもなっちゃって、これはよくないぞってなりました。最終的にはイタリアの姉に「大麻にしなさい」って怒られました(笑)ちなみに、大麻でバッドに入ったことはないですね。

だからなんで大麻がだめなのかわからなかったですね。まぁだからこそ同じ感覚を共有できる人とはすぐに仲良くなれました。当然一緒に吸ったりして。気づいたら大麻に理解がない人とは付き合わなくなってましたね。交友関係を築く上で麻が1つのフィルターになってました。

当時はこんな感じだったんで、シラフに戻ると何やってもつまらなく感じたんですよね。セックスですら吸ってないと面白くなかったです。だからシラフだと病んでるのかな?って思っちゃうこともありました。それが嫌だからまた吸って、元に戻すみたいな。ベースがハイな状態の人だと、こういう人は多いかもしれないですね。

それでそんな自分を変えたくて、海外へ旅に出るようになったんですよ。今まで20カ国周りました。アルゼンチンとかイースター島とか、南米あたりが一番楽しかったですね。

僕は元々コミュニケーションが得意じゃないんですけど、海外でそれが問題とならなかったのは大麻のおかげって部分が大きいですね。言葉が通じなくても仲良くなれましたよ。素直になれて、本当の自分がでてくる気がしますね。社会に生きてると、人と比較してこうしなきゃいけないとか、そういう理想を求められたりとかするじゃないですか。けど、大麻を吸った瞬間にそれが全て取り除かれるんです。色んなものを素直に、かつ敏感に受け取れます。この体感を知らないのは本当に損だと思います。みんながこうなれるわけじゃないかもしれないけど、この感覚を知っておいて損はないし、その上でどう付き合っていくかを考えるのが重要なんじゃないかと思います。

海外に行くようになってから、日本では大麻を吸わなくなりましたね。隠れて吸うのもめんどくさかったし、そもそも大麻がなくても平気なマインドになりました。たばこも吸わなくなりましたね。色んな人に出会って、色んな価値観に触れて、吸収して、それが普通になって。以前と同じ自分のままでいるわけがないですよね。常に変わっていきたいって気持ちもありましたし。環境の変化って大事ですよね。周りの友達も吸うなら海外行こうよって感じで、海外と日本でメリハリをつけられるようになりました。

日本で吸ってない分、海外行って大麻を吸うと感極まりますね。みんなで吸って、みんなでキマると感動が大きくなります。泣いたりすることもありました。やっぱり愛を感じるものですよね。大麻がないと感じられないっていったら寂しい感じもするけど、中にはきっとそういう人もいるじゃないですか。大麻はこういう大事な感覚に気づかせてくれるツールなのかなって思います。

僕はこういうのを普通だと思ってるけど、否定する人もいるじゃないですか。キマってるだけじゃん、みたいな。でもこの感覚は元々みんなが持ってるもので、大麻が作用することで表面化するだけだと思うんですよ。だから否定されても、ちょっと困ってしまいます。

依存性でいったら、たばこのほうがありますよね。10代、20代の頃はタバコと同じ感覚で吸ってたので、依存性がないっていったらそれもまた違いますけど。そんな言うほど依存性があるのかって言ったら、そんなことはないです。吸わなくなっても特に禁断症状が出たりってこともなかったですしね。もし今後日本で大麻が合法化しても、昔と同じように吸うのかっていったら、別に吸わないような気もします。元々法律でだめだったから手を出してたって自分もいましたしね(笑)

日本だけで過ごしてたら、大麻=だめなものって価値観になっちゃいますよね。法律とか国のイメージ戦略があるわけですから。難しいところだとは思いますが、一度海外に行って、外の世界を見て欲しいなって思います。大麻が悪くないっていうような場所で、実際に体験する。それがスタート地点です。その上で是非を判断して欲しいですよね。大麻だけに限ったことではないですけど、体験どころか調べもせずに否定的な意見が出るのは、どうなのかなって思ってしまいます。元々大麻は日本にあって、生活の一部となっていたものなんですから。

(担当: 廣橋大)

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