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大麻の偏見を無くすカギは、リアルを知ること
20代後半男性 日本在住公開日:2022年3月16日
音声で聴く:
Reading by Dai Hirohashi
大麻を吸い始めたキッカケは大学の友達でした。茨城出身の友達が、長期で地元に帰省したときに、大麻を吸ったという話をしてきました。大麻にはメディアで報道されているような幻覚や攻撃的になる作用は無く、人生を狂わされることは無いということでした。
そのときは、友達は頭がおかしくなってしまったと思いました。当時、私を含めた周りの友人は、大麻に対する偏見が強く、大麻を吸っている人間に好意を持っていませんでした。
ですが、実際に大麻を吸った友人の話を聞き、身内グループ計4人で、経験として一度大麻を吸ってみることになりました。神奈川の一角のアパートに集合し、大麻を初めて吸いました。この時は全く効果が分かりませんでした。なので、自然と次もまたやろうという流れになりました。
2〜3回目のときに、吸った後で頭に血が昇る感覚がありました。そこで初めてハイになる状態がどういうものかを知りました。ご飯も美味しく、テレビのバラエティ番組も面白く、ずっと笑っていました。5回目までは友達からおごってもらって、それ以降から自分で買うようになりました。大学を卒業するまでの三年で、大麻にどっぷり浸かりました。
その後、大学を卒業して地元に戻り、就職しました。そのときは大麻を吸っていなかったのですが、ずっと頭の中に大麻のことがありました。それから、大学のときの友達と遊ぶ機会があり、そこでTwitterのプッシャーの話を教えてもらいました。地元で大麻を買えるルートが無かったので、その情報を聞いたときはものすごい嬉しかったです。その後、Twitterでやり取りをしていたプッシャーが捕まったときは危機感はありましたが、別のプッシャーとの取り引きは続けていました。
大麻を吸い始めてから4年ほど過ぎたときに、友達のアパートで大麻パーティーをしました。そのときに友達グループでやり取りしていたLINEを妻に見られてしまいました。そのため、妻が激怒し同居している私の両親を交えて4人の家族会議が始まりました。そのときの空気はかなり張り詰めていました。私もショックが強く、あまり当時のことは覚えてないです。妻と母親は泣き始め、父親は激怒。大麻を供給していた友達と縁を切れと迫られ、さもないと警察に通報するとまで言われました。1時間ほど話し合いが続き、最終的に大麻を主導してきた友達に縁を切る旨を伝える電話をかけることになりました。
それで家族会議は終わったのですが、妻の怒りは収まらず、罵倒され続けました。母親はその数日後大麻について調べたらしく、医療大麻についての理解は示してくれました。ですが、父親は公務員ということもあり、大麻に対する偏見は強いままでした。CBDを持っているだけで警察に通報すると騒いだこともあります。父は、新聞とテレビの情報が全て正しいと思っている人間の典型でした。
インターネットで調べれば、大麻に植え付けられてるイメージが誤ったものであるということは明らかです。能動的に大麻関連の情報を見ていると、日本で大麻が合法になる未来は近いと思います。麻由来の合成カンナビノイドが多く出てきていて、大麻の研究会や意見交換会も議員さん達がやっています。
海外に目を向けると、大麻産業の成長スピードはものすごいです。アメリカのある州で、大麻の売り上げがお酒を超えたというニュースを見て、大麻合法化の流れはいつか日本にも来ると思いました。
まずは医療用から解禁されていって、そうすれば嗜好用としての大麻の解禁も近いです。嗜好用大麻は世論的に難しいという声もありますが、医療用と嗜好用で使っているユーザーの線引きは難しく、そのままズルズルと全面的な解禁へと向かうと思っています。Twitterを見ていても、特に若年層は医療用ではなく嗜好用としての合法化を望んでいるので、そういった波も後押しすると感じます。
大麻にネガティブなイメージを持っている人は、自分で大麻についての情報を集めるべきです。他にも、誰かのツイートを自らの頭で考えもせずに、自分の意見として周りに伝えてしまう人も問題だと思います。多数派のそれっぽい意見に流されやすくなってしまいますから。
メディア側が大麻によって利権を奪われる業界から出資を受けているとしたら、大麻のイメージは歪められたままです。政治に関しても同じことが言えます。なので、CBD業界も同じような資金援助が出来れば、合法化に向けた足がかりになります。
カンナビノイドは今後注目されていくと思うので、CBD業界への転職も考えています。ネットではCBDも規制されるという話を聞きますが、私の肌感だとそれは無いと思います。規制する理由が見当たらないからです。もし禁止したら、CBD業界の企業が黙ってないと思います。しかも、CBDは既に一定の消費者に浸透しているので、ネガティブなニュースに説得力がありません。
今後は、テレビよりもYouTubeでの情報が主流になっていくと思うので、活動家の方達の努力に期待しています。私もこれから大麻についての情報発信をしていくつもりです。大麻農家にも興味があるので、実際にそこで体験したことも発信したら、大麻のリアルを伝えていけるし、世間の持つ悪いイメージを変える一助になると思います。
大麻はダメだけどお酒はオーケーという人に言いたいのは、それは間違った認識ということです。そういった人は、世界の流れを全く把握出来てないです。他の国の情勢を知ろうとせずに大麻を悪と決めつけている人は、時代に追いていかれます。大麻において、日本人の考えは遅れ過ぎていて危ないです。
実際に大麻を体験してみることも、その問題を解決する一つの方法だと思います。まずは体感しないと興味自体が持てないです。それによって先入観が壊れて、意欲的に学ぶ姿勢が出てくると思います。
日本人の現状は、大麻の合法化なんてどうでも良いという人が1番多い気がします。だからこそ、世間のイメージに反したことは言いたくないし、大麻を合法にしようというモチベーションも生まれません。
大麻の医療効果についてはもちろんですが、嗜好用としての経験も世論を動かしていく重要な役目になると思います。私もこれから合法化に向けての活動をしていき、大麻の明るい未来を切り拓いていく一助になっていこうと思います。
(担当: 岩倉州)
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