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闘病中のおばあちゃんを見て、海外で大麻の勉強をしようと思いました
23歳男性 日本在住公開日:2022年1月17日
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Reading by Dai Hirohashi
初めて大麻と出会ったのは、高校の時にフィリピンに10ヶ月留学していたとき。当時18歳でした。
留学中に一度だけ大麻を吸ったことがあったんですけど、大麻の効果はあまり感じず、特に何も起こらないんだなと思って日本に帰国しました。
高校時代の友人は留学している人が多くて、みんな海外で大麻を経験していました。僕は留学から帰ってきた友人から大麻の話を聞いていました。
みんな大麻を吸っていても変な人ではないし、こいつおかしいなと思うこともなかったんです。大麻って吸っても何も影響ないんだな、タバコと同じ感じなんだなと思っていました。
20歳のころ、友人に分けてもらったものを吸ったとき、初めて大麻の効果を実感しました。
その時は、とにかく音楽がよく聞こえました。メロディの厚みを感じて、一つ一つの音にフォーカスできるんです。例えば、ドラムの音に集中できたり、歌の後ろにあるリズムに意識を向けられたり。ただ音楽がよく聞こえる、話していて楽しい。それで大麻を好きだなと感じるようになりました。
自分自身を一歩引いて俯瞰して見ているような感覚がしました。初めての精神状態に少し戸惑っていたんですけど、経験者の友人が気持ちを誘導してくれていたおかげで、少しずつ気持ちが落ち着き、安心してトリップできました。
学校の教育で大麻は「ダメ。ゼッタイ。」と教えられていましたが、そんなに危険なものなのか?と感じましたね。
それまで、法律は完璧なものだと思っていました。なのに、体に害悪があるわけじゃないのにダメと言っている法律に、違和感を感じるようになりました。警察は正しい仕事もしてるだろうけど、大麻で逮捕することに関してはおかしいと思います。それは本当に正義なの?と思ってしまいます。
日本では法律は正しいのかと疑問を持って考える人が少ないと感じます。だから、真実を自分自身で確かめてみようと思って大麻の勉強を始めました。
はじめはYoutubeで大麻を吸っている人の体験談を見て、そこから大麻の歴史も知るようになりました。
元々はアメリカの禁酒法から始まり、お酒取り締まりのために雇った捜査員の雇用を守るのと、人種差別的な思惑が重なり、大麻取り締まりへ移行していったこと。日本は第二次世界大戦のあと、GHQ(連合国最高司令官総司令部)によって大麻が禁止されただけなんだということも知りました。
僕は元々楽しいから大麻を使っていたけど、大麻は精神疾患、てんかんなどの病気に対して医療的な使い方もできます。
違法とせずに、合法化・法整備して国が大麻を管理すればブラックマーケットにお金が流れないですむということ、そして、医療目的として必要としている人がいるということを多くの人に知って欲しいです。
僕が情報を調べて大麻は悪いものじゃないと思ったように、若者の間では海外情報やニュース記事なんかを見て正しい知識が広まっていると思います。今ってNETFLIXでもドラマ・映画で大麻を吸うシーンを見てるので抵抗感が低いんじゃないかと思います。
最近、若者が大麻所持で捕まる数が増えてますけど、大麻を持っているだけで捕まえるのはどうなの?って思います。
大麻について詳しく勉強しようと思ったきっかけがもう一つあります。
1年前、おばあちゃんががんで亡くなったんですけど、亡くなる前の1,2ヶ月間は本当につらそうにしていました。
病院から薬をいっぱい貰って帰ってきて、闘病後半ではモルヒネを摂取して意識ももうろうとしていて、こんな最期が本当に幸せなのか?と思ってました。
その時、大麻のことをおばあちゃんに言えなかったんですよね。もし言っていたとしても大麻を受け入れてはもらえなかったと思います。おじいちゃん、おばあちゃん達は病院から出された薬が今できるベストだと思い込んじゃっているので。
そんな経験を通して、終末期の患者さんが最後の生き方として大麻を摂取して気持ちや痛みを和らげるのはありなんじゃないかと思うようになり、大麻について勉強するようになりました。
今僕は23歳なんですけど、今年の4月からカナダへ留学します。学校に通いながら授業の一環として仕事もできる留学プログラムを使って、現地のディスペンサリーで働きたいと思ってます。
大麻製品がどんなふうに作られていて、どんなふうに消費者に利用されているのかを肌で感じたいです。
将来、日本が大麻を合法化したら、海外での経験・ノウハウを日本に持ち帰れたらなと思っています。
(担当: 中本俊)
※本プロジェクトは、以下の企業から支援を受け運営されています
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インタビューに応募するWho We Are
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正高 佑志 (まさたかゆうじ)
医師。一般社団法人Green Zone Japan代表理事。著書に「お医者さんがする大麻とCBDの話(彩図社)」
Twitter: @yuji_masataka -
三木 直子 (みきなおこ)
翻訳家。一般社団法人 Green Zone Japan 理事。訳書に『マリファナはなぜ非合法なのか?』『CBD のすべて—健康とウェルビーイングのための医療大麻ガイド』『大麻草でがんは治せるか?』他。
Twitter: @greenzonejapan, @indoorcat629 -
長吉 秀夫 (ながよしひでお)
作家・舞台プロデューサー。ステージ制作の傍ら、ジャマイカやインド、北米や南太平洋などを訪れ精神世界、ドラッグ、ストリート・カルチャーなどを中心に執筆。ロック、日本の祭り文化についての造詣も深い。『不思議旅行案内』『タトゥー・エイジ』『大麻入門』(ともに幻冬舎)、『医療大麻入門』等
Twitter: @NagayoshiHideo
Instagram: @nagayoshihideo -
廣橋 大 (ひろはしだい)
看護師。当サイト開発・管理。
「ASA Magazine」ライター。
Twitter: @D__men
Instagram: @d_chan_dp -
生田 和余 (いくたかずよ)
セラピスト。自然療法を生かしたウェルネスケアに従事しつつ、東京工業大学修士課程に在籍し、文化人類学の視点から大麻に関する研究に取り組んでいる。
Twitter: @kazuyo_rk_
Instagram: @kazuyo_rk -
Eiju from Blue Dreamz
ロサンゼルスのマリファナ姐ちゃん。
大麻ショップ店長経験あり。
LAから大麻の情報を発信している活動家
-Youtubeチャンネル登録者数3万6千人
-毎週土曜日ライブ配信「Talking About Weed」
-現地ロサンゼルスでプライベートツアー『ブルドリツアー』を行う
Twitter: @bluedreamzla
Instagram: @bluedreamz_la
Youtube: ブルドリチャンネル by Blue Dreamz -
中本 俊(なかもとしゅん)
WEBマーケティングの支援会社で勤務。
世界一周中に体験した大麻の可能性を多くの人に知ってもらうために活動中。
Twitter: @shun_nakamo -
永井 大貴(ながいだいき)
過去、CBDアイテムを扱うシーシャ屋の運営経験あり。
現在はドキュメンタリー映画制作に取り組みながら執筆活動をしている。
発信活動を通して『愛とは何か?』を伝えていく。
Twitter: @nagaidaiki1996
Instagram: @daikinagai1996 -
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