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なぜあなたは大麻を吸うのですか?
Smoker's Story Project

file #55
思い出というエフェクトを残し、私を守ってくれる存在

30代女性 日本在住
公開日:2022年4月24日

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Reading by BuHHa Yamaguchi


はじめは大麻に全然興味なくて、むしろ覚醒剤と一緒で麻薬って思ってました。その考え方が変わったのは、今の旦那が脱法ハーブでバッドに入った時ですね。怖くなって、旦那のお姉さんに相談したんです。そしたらお姉さんが「そんなんだったら大麻吸ったほうがマシでしょ!」って怒ったんです。その時、お姉さんは妊娠中だったんですよ。私からしたら大麻も脱法ハーブも同じだったけど、これから命を生むって人がそういう風に言ってるのを聞いて、もしかしたら大麻っていいものなのかなって思い始めました。

それから一人旅をするようになって、オランダに行く機会があったんです。それで早速、そこらへんにいる外国人に大麻を勧められました。もし周りに頭がおかしくなっている人とかいたら怖かったですけど、みんな平和そうないい人たちばかりだったので、大丈夫そうだと感じましたね。それでせっかくだし、日本ではできないことはやってみようと思い、吸ってみることにしました。でもタバコも吸ったことなかったので、その時はうまく肺に入れられず、味だけ分かったって感じでした。

初めてハイになれたのはハワイにいた頃ですね。今の旦那と一緒だったんですけど、旦那がバリバリの経験者だったんですよ。この人と一緒ならどうなっても大丈夫だっていう安心感があったので、スペースクッキー(大麻入りのクッキー)を食べることにしたんです。それを食べて初めてハイの感覚が分かりました。

水中に入るとモワーってするじゃないですか。体感としては、あの感じですね。調子がいいと物が鮮明に見えたり感覚が鋭くなったりっていうのもありますけど、だいたいとりすぎちゃうせいか、色んなことが鈍くなりますね。喋り声が遠く感じたりとか。眠る直前の気持ちいい状態が、ずっと続いているような感じです。だからすぐ眠れるのはもちろんですが、生理痛とかも感じなくなりますね。自分の体じゃない感覚です。そのかわりとにかく楽しいので、笑いすぎて次の日お腹が筋肉痛になってたことはありました(笑)

私はエディブルが好きですね。ボングとかで吸ってもキマるっちゃキマりますけど、その前にのどが痛いんですよね。咳きこんで1、2分たったらグワンって来ますけど、すぐに効果が切れる感じがしますし。だから効果も長続きするし、吸うより食べるほうが好きです。バッドに入ったことはないですね。

ハイになったら毎回マンチーに入って、とにかくお腹空いてましたね。23時からウーバーイーツを使って、旦那と2人でお稲荷さん80個食べたりしたこともあります。胃袋の感覚なくなるんですよね。そんだけ食べといて翌朝普通にお腹空いてました(笑)

あと自分が生きている世の中では、その枠の中でしか物事を考えられないですけど、大麻を吸うとそれを普通に超えてきますね。例えば不倫1つとっても海外では許されるところがあって、中には歴史的には純愛であったりするところもあるんです。こうやって色んな視点で考えられるから、ハイな状態で会話をすると楽しいんですよ。文章書くのが得意で電子書籍を書いたりもしてたんですけど、ハイな時にメモしたことを見返してつなぎ合わせると、面白いコンテンツができあがったりします。

アートって満たされない想いとか怒りとか、そういうのが出たりするじゃないですか。誰かが亡くなった後に作られた曲が爆発的に売れるとか、よくある話ですよね。そういう欠けた何かを補うのがアートの魅力ですけど、別に何か欠けなくてもそういうのを自然と出せてしまうのが、大麻だと思います。

みえる景色も変わりますね。アムスっておもちゃみたいな世界観だったりするんですけど、大麻を吸うとそれがより非日常的になるんですよ。自分自身は変わらないし、場所も変わってないけど、大麻というカセットを頭に入れると、変わるんです。何話したのかとかは覚えてないけど、すごい喋ったって記憶は残ってます。どんどん感情が湧いてきて、しゃべることがたくさん出てくるんですよね。そういう意味ではお酒と一緒かもしれませんね。高級ホテルで高級シャンパンを飲むと、非日常的でいつもと違う気分になれたりするじゃないですか。その健全バージョンが、大麻で起きるって感じです。

ハイになると全体的な記憶はなくなるけど、オランダという異国の地にもかかわらず、ちゃんと家に帰ることはできてましたね。つまりその時々でしっかり意識はあって、オランダ語の標識を見ながら、バスと電車を乗り継いでたってことです。補導されることもなく社会に溶けこんで。そういう意味で大麻には安心感がありますね。お酒だと酔っ払ってる人って歩き方とかですぐ分かるじゃないですか。大麻だとそういうのはないから、傍目ではあまり分からないですよね。それこそ、大麻で潰れてる人って見たことないです。お酒で吐き潰れてる人は歌舞伎町でたくさんみましたけど。むしろあの光景は世界中のどこを見ても、東京でしかみたことないですね。

記憶がなくなるって言いましたけど、その逆もあって。4月27日ってオランダの王様の誕生日で、あっちこっちが野外のクラブみたいになるんですよ。みんなオレンジ色の服を着たり、オレンジ色のものをかぶったりして、街中がオレンジ色でいっぱいになります。そんな中でみんな大麻吸ったりハイネケン飲んだりするんですよ。音は鮮明に聞こえるし。五感に響いてめっちゃ感動が高まりました。生きててよかったって思うほどに。

この時だけじゃなくて、大麻があるとこういう瞬間って結構あるんですよ。シラフだとこう感じられる機会って少なかったりするじゃないですか。でも大麻があれば、何でもないことですら特別に変わるんですよ。そういうハッピーな感情って思い出として強く残るんですよね。そして私を守ってくれるんです。落ちこむようなことがあった時でも、生きててよかったって思った瞬間がこれまでにいっぱいあったじゃんって。シラフになった時でも、大麻はそういうエフェクトを残してくれて、生きやすさを与えてくれるんです。日々色んなことを忘れていきますけど、大麻の思い出って忘れにくいんですよね。いまだにおいなりさん80個をおいしく食べたことも鮮明に覚えてて、今でも毎日食べちゃってますからね(笑)

海外だと大麻が普通に日常的だったりするので、日本での悪いイメージは本当に一掃されますよ。例えばポートランドにいた時は、女友達が朝「おはよー」って起きてきて、早速リビングに座ってボングでボコボコやってるんですよ。それでその後普通に「行ってきまーす」って自転車に乗って仕事に向かってました。

大麻を育ててる人のところにも行ったことがあります。オーストラリアのニンビンとか、ロサンゼルスで鉢に植えて育ててる人もいましたね。こういう人たちってすごく愛情深いんですよね。植物愛がすごいです。ニンビンのヒッピーなんか自分がトイレで用を足したものをおが屑にして、それを肥料にして育ててましたよ。太陽の力、水の力、土の力を借りて良いものを作りたいっていう、お花屋さんと変わらないような気持ちでやっていることが、日本にきて「大麻」という文字に変わった瞬間にすごい悪いものになるのか疑問ですね。

色々体感は知ったけど、今度はもっと大麻について知りたいって思うようになりました。私、何かに集中すると興奮して朝まで寝れないとかあったりするんですよ。読書でもアートでも仕事でも、夢中になると体力尽きるまでぶっ続けちゃうんですよね。オフ状態になりたくてもなれなかったり、寝たとしても全然疲れがとれないとかあったりして。そういう不調があったりしたから、大麻が体にどういう影響を及ぼすのかとか、そういうことをちゃんと知りたくなったんです。それでバルセロナにある大麻博物館に行きました。

グリーンカーペットが敷かれたその場所には、大麻にまつわる歴史や情報がたくさんつまってました。シェイクスピアがパイプを吸ってる銅像があったり。他にも土壌改善で大麻が使われてたり、高級車のボディに大麻の繊維が使われてたりとかも紹介されていました。日本でも江戸時代の甲冑に麻が使われてて、今もそれに由来した地名があるって展示されてました。

大麻でがんがよくなったっていう人の顔写真付きのレビューもありました。抗がん剤治療で苦しんでたけど、大麻に切り替えたらご飯を食べられて笑えるようになったりとか。その間の表情の変化の写真も展示されていました。世界の東西南北において、大麻が色んな使われ方をしてるっていうのを自分の目で確かめることができました。同時に大麻が自分にとってだけじゃなく、地球にとってもすごくいいものなんだって確信しましたね。日本にもこういう場所があったらいいのにって思います。

それと、友達の結婚式のためにハワイのオワフ島に行った時のエピソードなんですけど。その友達のお母さんががんでご飯が食べられない状態だったんですよね。昔そのお母さんはバリで大麻を嗜んでた時があったみたいで、また欲しいなって言ってたんです。それでそのお母さんのために密輸したことがあるんですけど、おかげでご飯も食べられるようになって、夜もぐっすり眠れるようになったって友達から報告受けました。大麻は人の役に立てるものだというのを実感した経験でしたね。

大麻のデメリットは適量がわからないってことですかね。効き方も人それぞれですし。経験しながら自分で調節していくってのは醍醐味かもしれないですけど。大麻クッキーとか20〜30分して効かないからって追っかけで食べちゃうと、アウトなんですよ。アメリカンサイズの大麻クッキーを食べて2日間動けなくなったこともあります。そうなったら仕事にも支障でますよね。

それとポートランドに3週間いた時ですが、毎日のようにみんな手土産として大麻を持ってくるんですよね。それでずっとボーっとしてるような感じだったんですが、そういう時に航空チケットをとるのは危険ですね。日付を間違えたり、余分に買っちゃったりもしましたから。あとはめっちゃのどが乾きますね。「水!水!」って言いながら、ペットボトルのふたを開けられなかったこともありました(笑)

資本主義がどうでもよくなっちゃうって人もいますよね。頑張らなくてもいいじゃんみたいな。幸せを仕事の先に求める人もいますけど、大麻を吸うとその状態になれるって気づいたら、もう最低限の暮らしができればいいじゃんってなるんですよね。世の中楽しいことがいっぱいあって、それを提供する側がいて、働いたお金でそれを手に入れるわけじゃないですか。服とかおいしいものとか。でも大麻があれば別にそういうのも必要なくなる。そしたら見た目も変わってきて、ナチュラル全開なスタイルになる。旅してる中でそういう人をたくさんみてきましたよ。それ自体は全然悪いことじゃないんですけど、やっぱ都会で暮らす人とか今どきの子にはウケないですよね。そういう意味ではイメージよくないなって思います。

日本に戻ってきてからは大麻は吸ってないです。もう海外でたくさん楽しんだし、日本でリスクを犯してまで吸おうとは思わないですね。だから依存性も全く感じないですね。

日本でもアメリカ人のベビーシッターをやってた時、そこのファミリーの父親が大学教授だったんですけど、普通に「CBDリキッド買ってきて欲しい」ってお願いしてきてましたね。不安を取り除くために生活に取り入れてたみたいです。私は31カ国旅をしてきましたけど、大麻が好きな人ってどちらかというとタトゥー入れまくってちょっと頭がイッちゃってる人とか、ヒッピーの人とかが多かったんですよ。純粋に楽しんだりハイになるために大麻を使ってた人たちですよね。だけど普通に働いてる大学教授が医学的な理由で取り入れてるって知って、大麻は社会的にも認められたものなんだって、より確信めいたものがありました。

コロナ下になって色々大変になったので、旦那と話し合った結果、今後は麻で人を幸せにする仕事をすることに決めました。今まで海外で幸せになった人をたくさん目の当たりにしてきましたし。時がくれば日本でも麻が求められると思うんですよね。とりあえず今はCBD関連の仕事をしてますけど、次は海外で大麻ファームをやるつもりです。そのために今は農業を実際にやりながら学んでます。

麻が原因で人間関係が分断されることはないって感覚があるんですよ。お酒だと酒癖が悪いって離れてく人とかいますけど、逆に麻は国境を超えて人をつなげるツールになりますよね。言葉も考え方も分からない。でもとりあえず一緒に大麻を吸えば、もうブラザーみたいな。たとえコミュニケーションが苦手でも、あるいは他のことで意気投合してなくても、すぐに仲良くなれて、次会ったときも普通に「おー!」って感じで話せます。それにお酒だとワイン1杯いくらって感じになっちゃうけど、ジョイントだとそういう換算はできないし、シェアが当たり前じゃないですか。大麻はそういったお金も考えも言葉も超えた世界を生み出し、人と人をつないでくれるものだと思います。だからこそ麻に関わる仕事は、やる価値があるものだって心底信じています。

(担当: 廣橋大)

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