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なぜあなたは大麻を吸うのですか?
Smoker's Story Project

file #50
10万人に1人の確率で選ばれた使命感

20代女性 関西在住
公開日:2022年2月25日

脳動静脈奇形の発症

私が19歳の時の話です。小学生の頃から頭痛に悩まされていましたが、それまでとは明らかに異なる頭痛に襲われました。後頭部にトンカチで殴られたような痛みが走ったかと思うと、吐き気とともに視界が暗くなっていったのを覚えています。救急搬送された病院での検査の結果、脳に動脈瘤と出血が認められ、脳動脈奇形と診断されました。

脳動脈奇形は、発症頻度が10万人に1人という珍しい病気で、発症すると、脳の動脈と静脈が繋がり異常な血管の塊が形成されます。通常、脳内の物質のやりとりは毛細血管により血圧を分散しながら行われています。しかし、この病気を発症するとそれができなくなるため、脳内の血流に影響し、脳内出血や二次性くも膜下出血のリスクを抱えることになります。

代表的な症状は頭痛やけいれん、進行性の麻痺ですが、脳出血が起きると片麻痺や意識障害、吐き気が生じることもあります。

治療は開頭手術、カテーテル治療、放射線治療による異常な血管の除去が基本ですが、出血していない場合や手術が困難な場合は内服による保存治療が行われることもあります。

私の場合は、動脈瘤がいつ破裂するか分からない状況でした。しかし、発症箇所が神経に近く、半身麻痺や視力喪失のリスクがあり手術を行うことができず、保存治療を行うしかありませんでした。具体的には、たばこやお酒を断ち、安静にして、ストレスを貯めない生活を送ることです。

大麻との出会い

保存治療としてストレスを貯めない生活を送るように指導されましたが、とてもそのような生活を送ることはできませんでした。活発な性格だった私が、動脈瘤破裂に怯えながら安静な生活を送るんです。ストレスがたまらない理由がありませんでした。病状もなかなか改善せず、先の見えない状況が私の精神をどんどん削っていきました。

あるときからは「死んだ方がマシだ」という気持ちが強くなり、気分は完全に沈みきっていました。

そんな私に手をさしのべてくれたのが、昔から面倒を見てくれていた先輩でした。先輩は「大麻があれば大丈夫だ。騙されたと思って一回吸ってみろ」とすすめてくれたのです。

正直、不安はありました。医者から喫煙を止められている状況で大麻を吸って動脈瘤が破裂しないのか?本当に身体に悪影響はないのか?そんな思いもありましたが、当時の精神状態では先輩を信じる以外の選択肢はなく、私は大麻を吸うことを選択しました。

大麻を吸うとその効果が身体の中に染み渡り、ストレスフリーな気分が広がりました。

一時は死を覚悟した私でしたが、大麻のお陰で再度治療に専念する前向きな気持ちを持てたのです。あれほど辛かった恐怖の気持ちは消え、楽しく後悔のない人生を送ることを心に決めました。

日本の大麻制度への違和感

治療を継続していた私が20歳になった頃、日本の大麻制度へ違和感を抱くキッカケになる経験がありました。それは、一人で訪れていたスペインでのホームパーティーでのことでした。

パーティーで大麻をすすめられた私は、再度大麻を吸うことになります。その時は大麻に対して前向きなイメージを持っていたので、迷わず使用に踏み切りました。遠い異国の地でしたが、大麻を一本吸うだけで非常に楽しい時間を過ごすことができたのを覚えています。

その時から、日本ではなぜ大麻が違法指定されているのか疑問に思うようになりました。帰国後も先輩達と大麻の使用を続ける中でハイグレードなものも経験し、より大麻の奥深さを感じるようになり、その疑問はさらに強くなっていきました。

自分でもその疑問の答えを探しましたが、納得できる答えは見つけられないままです。飲酒や喫煙と何が違うのでしょうか?少なくとも私の身体にとっては、お酒やたばこよりも大麻が一番合っているのです。

手術の成功

そのような疑問を抱えながら生活を送っていた私でしたが、病状は少しずつ回復し、ついには手術可能な状況にまでなりました。若干視力に影響を残しましたが手術は無事成功し、動脈瘤との長いつき合いから解放されることになりました。

この手術成功は大麻のお陰だと思っています。それまでどうにもならなかった病気が、大麻をキッカケに回復に向かっていったからです。大麻以外には特別なことは何一つしていません。大麻は精神面でも病状面でも私のことを救ってくれたのです。

この病気と大麻のお陰で、私の考えは180度変わりました。今では、生きていることは当たり前ではないと感じています。また、死の淵に直面したからこそもう恐怖を感じるものはないですし、あの頃以上に辛いできごとなんてないとも思っています。

現在は、後悔を残さないように自分に正直に毎日を過ごしています。

CBDの普及活動

現在私は、CBD製品の販売に携わっています。私と同じように病気で苦しんでいる人を助けたいと思ったからです。本当はTHCも扱いたいのですが、日本では違法になるので、CBDを通して活動していくことにしました。

信頼できる会社を見つけるまでに6年掛かりましたが、ついに理想の会社と商品にも出逢うことができました。そして今、その会社の商品を通して、大麻の素晴らしさを発信しています。

CBDはほとんど副作用がなく、自律神経の調整作用もあります。薬の副作用に悩まされている人たちにとって、助けになると思うんです。私は、CBDを流行やファッションではなく、メディカルなものとして広めていきたいと考えています。

商品をお届けしている利用者さんからは様々な声をいただいて、CBD使用による体調の変化も直接聞かせてもらっています。ステロイド軟膏による治療の効果が見られなかったアトピーが、CBDのティンクチャーを使用することで改善したという話もいただきました。

私も手術後に発生した脳浮腫によるてんかん発作を抑えるためにCBDを使用しています。発作が起きると、現実味のない空間にいるような感覚に陥り、めまいに襲われるとともに言葉を上手く発せなくなります。

病院からは発作を抑えるために薬が処方されましたが、副作用のことが気になり服用には抵抗がありました。そこでCBDを使用してみたところ、発作が起こらなくなりました。それどころか、睡眠の質が高まり、体調そのものが良くなりました。

そのことを医者に伝えると、「身体に合っているのであればそれで問題ないですよ。」と言ってもらうことができました。

病気を乗り越えて手にしたもの

私が発症した脳動脈奇形は、難病指定されていません。10万人に1人という発症頻度や最悪の場合は死に至るという病状にもかかわらず、です。私はこの病気についての情報発信もしているのですが、大勢の方々から話を聞きたいという反応をいただいています。

私が発症した頃は情報量もそれほど多くなく、たまに情報が見つかっても死亡例など生きる気力を失う内容のものばかりでした。だからこそ、私は病気を克服し、前向きに生きる姿を見せ続けることで、同じ病気に苦しんでいる人たちの希望になりたいと思っています。

私は病気と大麻のおかげで、人生を大きく変えることができました。10万人に1人と言われるこの病気を患ったことは、今では幸運だったとさえ思っています。私がこの病気を経験したことは、きっと意味のあることだったのだと感じているのです。

救急搬送された町病院には、たまたま大学病院の脳の専門医がいてくれました。そして適切な対応をしてくれたおかげで、私の命は救われたのです。

10万人に1人の大病を患い、偶然が重なってそれを克服した経験によって、私はなにか大きな力に生かされているような感覚を抱くようになりました。そして、その感覚は今後も活動を続けていくという使命感にも繋がっています。

私には、もう怖いものはありません。自分を信じ、最後まで活動を続けていきたいと思います。

(担当: 廣橋大)

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