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なぜあなたは大麻を吸うのですか?
Smoker's Story Project

file #43
大麻がないと真面目に困るって人たちがいることに気がつきました

20代男性 日本在住
公開日:2022年1月30日

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Reading by Dai Hirohashi


初めて大麻を吸ったのは20歳ごろです。きっかけは単純に友達が持ってたからですね。「健康面で、たばこより全然いいから」って言われて。たばこは吸ってたんですけどお酒は飲めなかったこともあり、吸ってみることにしました。昔から仲の良かった友達だし100%信用していたので、特に大麻に対して偏見も抱くこともありませんでした。

体感に関しては、はじめはやっぱよくわからなかったですね。なんだろうこれ、何も起きないじゃんみたいな感じでした。それと同時に、これを違法にしてる日本って変だなって思いました。

それ以降もたまにですが、機会があるときに吸ってました。だんだんと体感がわかるようになって、わりと早い段階で大麻が好きになっていきました。

1ヶ月くらい前に帰ってきましたけど、2年前くらいからワーホリでオーストラリアに行ってました。人生経験って目的もあったし、ライフスタイルが合ってるってイメージがあったので、行ってみたかったんですよね。あとは3,4番目くらいの理由に大麻もありました。

オーストラリアは広いので、州によって法律が違うんですよね。首都のキャンベラだったら大麻を育ててもいいんですよ。成人してれば、1家庭につき2株まで育てられるみたいな。その法律ができたのがちょうど2年前くらいですね。

それ以外の場所では、大麻が合法化されているところはそんな多くなかったですけど、非犯罪化はされてましたね。チャリンコの2ケツが見つかるくらいな感覚でした。なので結構どこでも吸えましたね。

なんなら外で吸ってても、すれ違った現地のおっちゃんから「ちょっと1本くれる?」みたいに声をかけられたりもしましたよ。僕のホストマザーも、普通に大麻入りのクッキーとかブラウニーといったお菓子を作ってくれましたし。僕が思っていたより、オーストラリアは結構大麻が浸透している印象を受けました。オーストラリアに着いた初日に、早速持っている人とうまい具合に知り合えましたしね(笑)

オーストラリア人の友達に日本の大麻事情を話したら、「そんなん15年ぐらい前のオーストラリアだよ。日本っていい国なのに変だな」みたいに言われました。ちょっと恥ずかしくなりましたね。

オーストラリアの大麻は国内ものが多いんですよね。災害とか起きて交通が麻痺すると、品薄状態になってどこにもないみたいな状況になったりします。それこそ新型コロナウイルスで州境がクローズされた時期があったんですけど、めっちゃ影響受けてましたね。結構困ってる人は多かったと思います。

向こうでは毎日、大麻を吸ってましたね。たばこみたいな感覚で、1日にジョイントを10本弱ぐらいだったかな。探せば1g1000円しないぐらいなところもあったし、コスト面は大丈夫でした。

僕は健康だし嗜好目的でした。吸っても全然動けるし、あまり変わらないですね。吸いはじめの頃はマンチーに入ってましたけど、そのへんも慣れていって、食べ過ぎたりすることはなくなりました。

メリットとしては、吸うと単純に気分転換になりますね。全体的にモチベーションが上がって、何をするにも調子良くなります。集中力が上がるので、何か調べものをするのにもいいですね。仕事も少し吸っている状態のほうが早かったりします。昼間はサティバ、夜はインディカって感じで使い分けて吸ってました。

向こうで2年間こんな感じで生活してたけど、なかったらないで別に何か影響するわけじゃないし、依存性は感じないですね。

あと大麻の栽培もしてました。色々な方法を試しましたね。種からある程度大きくなるまでは室内、それ以降は外で育てるって方法が一番良かったです。あんま環境変えるのはよくないみたいですけどね。僕のいたところは合法ではなかったけど、めちゃくちゃ田舎なので特にご近所さんも気にする様子もなく、平気でした。

帰国してから、親とか周囲の近い関係の人たちには大麻のことを話しました。うちは母親が結構厳しい人なんですけど、理詰めでちゃんと説明したら理解してくれましたよ。まぁ日本では違法だからやめときなさいって言われましたけどね(笑)

こんな感じで僕は嗜好目的でしたが、オーストラリアで出会って付き合い始めた彼女(日本人)は、医療目的で大麻を使用していました。同じくワーホリできてて、職場が一緒だったんですよね。向こうでは一緒に生活してました。

彼女は僕と付き合ってから初めて大麻を吸うようになったのですが、のちに”過食嘔吐”という持病があることを打ち明けてくれました。衝動的に食べるけど、胃に物が入るのがいやですぐに吐いちゃうみたいな感じで、特にメンタルが不安定だとそういう症状が出やすいみたいです。

彼女自身、色々と治療法を探していたみたいで、大麻のことも気になってたそうです。大麻を吸うと、症状がひどくはならず安定するみたいですね。気持ちのアップダウンがあまりなくなって、楽な気持ちになれるって話してました。普通にご飯も食べれてましたね。

僕も大麻に医療効果があることを知っていたので、過食嘔吐に効果があるのか調べたんですけど、いまいち関連したものがでてこなくて。でも過食嘔吐っていう症状自体、結構性格とか精神面が関係するみたいなんですよね。メンタルが原因って考えたら、人によるかもしれないけど、大麻ってハッピーになれる人が多いし、いいんじゃないかって思いました。

あと彼女は不眠症もあったみたいです。おそらくこれも持病が関連しているんだとは思いますが、大麻を吸うことで寝れるようにもなったそうです。

僕は先に日本に帰ってきましたが、ちょうど今彼女も日本に帰ってきてるところです。日本では大麻が吸えないので、やっぱり不安みたいですね。けどそれは依存しているわけじゃなくて、あったらめっちゃ嬉しいぐらいな感覚だそうです。

でも、過食嘔吐の症状はまた増えてくるだろうなって話してます。オーストラリアでCBDも試してはいましたが、特に効果は感じなかったみたいです。

僕の彼女を中心に話しましたけど、ワーホリに来ている他の日本人たちも、わりとメンタル的にあまり強くない人が多かったですね。みんな大麻を吸ってましたけど、本当日本に帰りたくないって言ってました。大麻がないと真面目に困るっていう人たちがいることに、初めて気づきましたね。

その中に一人、うつ病の子がいたんですよ。まぁうつ病ってこと自体はあとになってから知ったのですが。気づいたら一人でどこかに行き連絡がつかなくなって、やっと連絡がついたと思ったらそんなところにいたの?ってぐらい大移動してたりするような人でした。

なんだかんだでその子は日本に帰ったみたいなんですけど、その数週間後別の友達が連絡してみたら、お姉さんから「自殺で亡くなりました」って返事がきたみたいです。オーストラリアでは一緒に大麻を吸ってた仲間だったので、ショックでしたね・・・。日本でも吸えたらまた違かったのかなって思います。

僕はお酒飲めないってのもあるかもしれませんが、居酒屋とか飲み屋街に行ったら、大麻吸っている人たちよりも、明らかに酔っ払っている人たちのほうがやばいって感じます。アルコールは合法だからゆるく捉えられがちですけど、その違和感に早く気づいて欲しいなって思います。海外だと路上でアルコール飲んだらだめなところが多いくらいなんですから。

それと、大麻が好きな人は好きなりにちゃんと調べて勉強して、周囲の人にちゃんと説明できるようになったほうがいいかなって思います。そうすれば合法化するのも早くなるような気がしますよね。ただ単純に大麻を吸いたいからっていう理由で合法化を叫んだら、逆にどんどん遠ざかっていってしまうと思います。

(担当: 廣橋大)

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