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なぜあなたは大麻を吸うのですか?
Smoker's Story Project

file #37
学校で「ドラッグについて自分で調べてくるように」って言われるんです

28歳女性 オーストラリア在住
公開日:2021年12月20日

生まれはオーストラリアですが両親が日本人で、義務教育は日本人学校に通っていました。日本から先生が来て、同じ教育プログラムで、周りの同級生も日本人ですね。現在は医療大麻も扱っている製薬会社に勤務しています。

こっちだと大麻は本当に身近で。中学2年の時に、初めて日本人の先輩から勧められて吸うようになりました。最初はタバコとあんまり変わらなくない?って感じでしたね。

そのとき音楽を流していて、音ってこんなに綺麗なんだと感動したのを覚えています。それからちょくちょく、先輩たちと学校帰りにジョイントを回したり、授業をサボってローカルの友達と滝のある山に行ってボングを回したり、楽しい思い出です。景色をみて感動したのは、大麻を吸った時が初めてですね。

私のいた学校では、保健体育の授業でドラッグについて教えていたんです、やんちゃな子が多かったので。学校の課題で“好きなドラッグを一つ選んで、いいところ、悪いところ、正式名称と俗称、末端価格、オーバードーズしないためにはどうしたらいいかなど自分で調べてレポートを書きなさい“って言われます。

担当の先生が20代前半で、“どうせこれからドラッグと出会うことになるから、正しい知識を持っておくように。ドラッグをやるなとは言わない。やるなって言われたらやりたくなるでしょう。ちゃんと自分で調べるなり人に聞くなりして、それがどういうものか知った上で自分で判断しなさい。やるんだったらOD(オーバードーズ)しないように応急処置の方法も知った上でやりなさい“と熱心でした。

彼女の友達がフェスでMDMAの錠剤を飲んで死んじゃったという話を聞かせてくれて。あとで調べたら錠剤の中に細かく砕いたガラスが入っていたそうです。粘膜を傷つけることで吸収が良くなると信じられていて、製造の際にわざと入れることがあるらしいんです。コカインも主原料はコカの木だけど、製造過程で殺鼠剤とバッテリー液を入れることをその時学びました。

そういう教育のおかげで皆、大麻、コカイン、ヘロイン、MDMA、シャブくらいについては基本的な知識はあると思います。だから初めてジョイントが回って来たときも、心理的な抵抗は全くなかったですね。身体に悪いものではないと知っていたので。

高校を卒業した頃から、遊んでいた友達が大麻を吸わなくなって、私もめったに吸う機会がなくなりました。こっちだと、大麻って貧乏人のドラッグというイメージがあるんですよね。パーティードラッグじゃないので大人数で吸っても盛り上がらないし。

友達と飲みに行くときはコカインなどのアッパー系、リラックスしたい時は大麻という風に使い分けていました。周りの子達はコカインとかシャブに流れていった感じがありましたが、私は性格的にも大麻の方があっていました。

それから10年くらいして、2年ほど前に、色々なことが重なって、不眠とパニック発作に悩むようになりました。最初は病院で抗不安薬と抗うつ薬を処方されていたのですが、副作用で体重が10kg増えてしまって。そこで大麻に切り替えたところ、ぐっすり眠れるし、パニック発作も無くなりました。体重も元に戻りつつあります。

使用しているのはインディカ系ですね。マンゴークッシュという品種。これが育てやすいみたいでブランド品の中では一番安いんです。インディカはサティバよりも早く育つし。1オンス(28.3g)で300ドル(約24,000円)くらいです。一応違法なんで、ディーラーの友達から。

毎日寝る前に吸っていますが、それで1ヶ月半から2ヶ月くらいは持ちます。耐性がついてきたら、3日くらい抜いたりグレープフルーツジュースを飲んでTHCをデトックスしています。

私にとってはドラッグというか、ちゃんと生活するために使うもの。他の薬だと身体に悪いのがよくわかるんです。大麻はよく寝れる。ご飯が美味しい。自分の周りでもハイになりたくて大麻を吸う人ってあんまりいない気がします。みんなどこか調子が悪くて大麻を使っている人が多いです。

オーストラリアは医療大麻合法なんで、お医者さんに希望すると処方してくれます。でも、あんまり使われてないと思います。今のところはがんの痛み止めと緑内障だけで、不安とかうつ病は適応じゃないんです。

しかも値段が高い。オーストラリアって、病院に受診するのはタダだし、政府が薬代の90%払ってくれるんです。でも医療大麻は保険でカバーされないから全額自分で払わないといけない。

普通にディーラーから買った方が安くて質がいいです。白人のディーラーですね。ベトナム系はカスみたいなネタを売ってます。たぶん作ってる本人達が大麻を吸わないんだと思う。

一応、首都以外は違法なんですけれど所持だと没収されて終わりですね。知り合いが6000株育てて逮捕されましたけれど、それでも半年で刑務所から出てきました。

大麻に関しては実際は禁止されているという感覚はないですね。みんな自分が吸っていることを隠さないですし。たまに吸うだけっていう人も含むと、50%くらいは吸ってるんじゃないかな。

知り合いのオージーのおじいちゃんに聞いたんですけど、一昔前までは公務員も休憩中にボングを一発吸うのが当たり前だったらしいです。コロナで遅れていますがもうすぐ法律が変わるみたいです。1家族当たり12株まで栽培できるようになるんだっけな。

どっちかというとタバコを吸っていることの方が隠したいことみたいな…今、1箱5000円ですから。こっそり持ち込んで売ってる人もいます。メビウスが2000円でマルボロが2500円。タバコの密輸笑

覚醒剤は厳しいですね。持ってるだけで刑務所かリハビリセンターです。友人に覚醒剤を製造している子がいて、逮捕されましたが初犯で懲役5年ですね。白人じゃないから刑が重めというのもありますが。

私の住んでいるところは移民が多い地区で、英語ができない人も多いし、母国で安くネタが手に入るから、という理由でそういう人たちが薬物を仕事にする傾向はありますね。

私は日本のパスポートも持っていて、コロナ前は年に一回は東京に行ってました。

日本でも大麻を吸っている友達がいるので、もらうこともありますけれど、こっちで吸うのと違って、なんかもっとビクビクしている。やっぱり楽しくないですね。

でも誰も大麻の匂いを知らないので、外でも吸えるのは日本のいいところと思います。(路上で通話しながら)ここで吸ったら通りすがる人に一口ちょうだい!って言われますもん笑

日本でも合法になって、ジョイントをきっかけにコミュニケーションが発生するようになればいいと思います。お酒の代わりに使うのがいいんじゃないですか?お酒は体に悪いし。大麻だと二日酔いになる心配もないし絶対喧嘩もしない。他の遊び方があるのに、知らないのはもったいないですよね。

合法とまではいかなくても、せめて大麻の”正しい知識”を持つ人が増えればいいな、と思います。

(担当: 正高佑志)

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